総務省は、ソフトバンクがスマホの販売で指針(「モバイルサービスの提供条件・端末に関する指針」(2017年1月策定))の趣旨に反する不適切な行為を行っていたとして、近く行政指導する方針を固めました。
総務省は、現在、大手キャリアのスマホ「実質0円」キャンペーンを制限していますが、今回、ソフトバンクが不適切にスマホを値引き販売していたと判断しました。
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ソフトバンクが販売店にスマホの大幅値引き販売を指示
総務省は、ソフトバンクがスマホ販売とは別の名目で提供したお金で販売店にスマホの大幅値引きさせていた行為に対し、月内に同社を行政指導する方針を固めました。
今回、販売代理店からの情報提供により発覚して問題となったのは、ソフトバンクが販売代理店に対し、指針に直接抵触しない販売店の裁量に見えるような形で、スマホの値引きやキャッシュバックを実質的に指示していたことです。
この問題に対して、総務省は指針の抜け穴を突いた悪質な行為として、ソフトバンクを厳重に注意する方針です。
総務省の大幅値引き販売に対する改善の取り組みと指針の抜け穴
携帯電話市場ではこれまでにキャッシュバックによる顧客の争奪戦が過熱しました。これに対して、総務省は、事態の改善に向けた取り組みを強化してきました。
2016年3月には「スマートフォンの端末購入補助の適正化に関するガイドライン」を策定し、行き過ぎたキャッシュバックを禁止しました。
さらに、現在は2016年のガイドラインを強化した「モバイルサービスの提供条件・端末に関する指針」(2017年1月策定)に基づいて、厳重に取り締まっています。
しかし、2017年の春商戦から指針の抜け穴を突いたキャッシュバックが復活しました。
指針の抜け穴とは、販売代理店の独自の裁量によるキャッシュバックです。
2017年の指針の対象はあくまで大手穴を使って、販売店の裁量に見せかけてスマホの大幅割引を実施していたことが発覚したということになります。
総務省は2017年12月~2018年4月に開催していた有識者会議「モバイル市場の公正競争促進に関する検討会」でも、こういった実態を問題視しています。
これからは、さらに厳格に取り締まり、大手キャリアが販売店に端末の販売価格や値引きを実質的に指示する行為は、業務改善命令の対象とする方針です。
今回、ソフトバンクは、有識者会議の結論以前の行為だったこともあり、業務改善命令の適用は免れたようです。
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まとめ
総務省は、ソフトバンクがスマホの販売で指針の趣旨に反する不適切な行為を行っていたとして、近く行政指導する方針を固めました。
今後、大手キャリアによるスマホの大幅割引は無くなっていくでしょう。