総務省は2018年4月20日、「モバイル市場の公正競争促進に関する検討会」の最終回となる第6回を開き、「報告書(案)」を作成しました。
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総務省の報告書(案)でまとめられた内容は?
報告書(案)では、主に以下の3点の内容がまとめられています。
1)ネットワーク提供条件の同等性確保
2)中古端末の国内流通促進
3)利用者の自由なサービス・端末選択の促進
順番にご説明致します。
1)ネットワーク提供条件の同等性確保
1つ目に、auのサブブランドであるUQモバイルが、回線の優遇措置を受けているではないかという、サブブランド優遇疑惑が上がっていましたが、総務省は、「優遇の実態はない」という結論を出しました。
2)中古端末の国内流通促進
2つ目に、大手3社がユーザーの端末乗り換え時に、端末を下取りし、その多くを海外業者に転売しているという現状に対し、大手3社が国内市場への中古スマホの流通を制限していると判定した場合、「業務改善命令の対象とするよう、ガイドラインを策定する」と結論づけました。
これにより、中古端末の国内市場の流通が促進しますので、格安スマホ業者にとって有利な状況になる可能性があります。
3)利用者の自由なサービス・端末選択の促進
3つ目に、現状、auとソフトバンクがWEB上でMNPを受け付けていないことを問題点として挙げています。
また、キャリアメールの問題についても、格安スマホ事業者が転送メールサービスを求めている点について言及し、検討課題を明らかにして検討するよう要請していくとしています。
いわゆる「2年縛り」や「4年縛り」の問題に対しては、契約の自動更新や高額の違約金はユーザーの意に沿っておらず、MNPを阻んでいると指摘。
ユーザーが思い通りに事業者を選択できるように、「違約金または25カ月目の通信料金のいずれも支払わずに解約できるよう」総務省は措置を実施することを求めることが必要と提言しています。
残債免除等施策については、ユーザーに説明が細部にわたってされるように、消費者保護ガイドラインの契約前説明の対象と明示することが必要と指摘しています。
料金プランについても、ユーザーの利用状況に合ったプランを選択できるよう、過去の利用実績から適正なプランを案内することや、プランの見直し機会の充実などの提言がされています。
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まとめ
総務省は2018年4月20日、「モバイル市場の公正競争促進に関する検討会」の最終回となる第6回を開き、「報告書(案)」を作成しました。
報告書(案)では、ネットワーク提供条件の同等性確保、中古端末の国内流通促進、利用者の自由なサービス・端末選択の促進の3つの内容がまとめられました。