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公正取引委員会、大手キャリアの「2年縛り」、「4年縛り」を問題に

2018年4月に公正取引委員会で開催された「携帯電話市場に関する有識者会議」の資料が公開されました。

この有識者会議は、国内の携帯電話市場の課題を新たに議論するための場と位置付けられているものです。

この度、発表された資料を見ると、今回の有識者会議の論点が見えてきます。そういったところから、公取委が問題視する部分を見ていきたいと思います。

公正取引委員会が用意した資料の内容は?

有識者会議の事務局側が準備した資料を見ると、議論の対象となっているのは以下の6点です。

・通信契約と端末販売の分離
・端末へのSIMロック
・期間拘束・自動更新付き契約など
・MNOの通信網など(HLR/HSS)に対するアクセス
・端末購入にかかる割賦契約
・中古端末の流通促進

例えば、ドコモの「docomo with」や、auの「ピタット/フラットプラン」などに対して、問題を提起する模様です。

有識者会議では、いわゆる「2年縛り」や「4年縛り」も問題点に

さらに、期間拘束・自動更新付き契約についても問題点に挙げられています。
これは、「2年縛り」、「4年縛り」と呼ばれている内容についてです。

俗に言う「2年縛り」とは、携帯電話を規定年数使い続けることを前提条件として値引きをする仕組みで、大手3キャリア(ドコモ,au,ソフトバンク)で名称は違っても、各社、導入されています。

重要なことは、2年契約が終わる時点で「更新期間」というものがあるのですが、この期間を逃すと、契約が自動更新され、解約する場合に違約金が発生するというところです。

また、「4年縛り」については、スマホの購入から2年後にスマホを買い替えて同じプランに再加入すれば、端末代金の残額が無料となるというものです。

つまり、端末代金を安くする代わりに、4年間も契約が縛られる訳です。

実際、au・ソフトバンクは、iPhone XやiPhone8を半額で販売するプランがあるのですが、これが、「4年間の分割払いでスマホを購入する」のが前提となっていて、それを問題視しているということです。

なぜ問題視しているのかと言うと4年間の利用が前提になっているため、他社への乗り換えが進まないからです。

つまり、このプランに一度加入してしまうと、4年間は格安スマホへ乗り換えにくくなるということです。

大手キャリアの2年縛り・4年縛りを契約する前に

大手キャリアの2年縛り・4年縛りを契約する前に、それが本当にお得なのかどうかをよく検討することが重要です。

機種が半額で購入できれば、確かに一見お得に見えますが、2年間、あるいは、4年間、契約を変更できないということは、大きな損失になり得ます。

なぜなら、月に4,000円の金額の違いがあれば、2年で96,000円、4年だと192,000円もの差額が発生するからです。そして、実際に格安スマホに乗り換えれば、月4,000円ぐらいの差額が出るケースのほうが多いです。

ですから、4年縛りは、かなりの損失である可能性もあります。

もしかしたら、公正取引委員会の有識者会議の影響により、今後、「4年縛り」が無くなる可能性もゼロではありませんが、そうだとしても、それまでに契約した方に関してはそのまま引き継がれるかも知れません。

そういった意味でも、本当の意味で賢い選択をするためには、目先の安さに惑わされずに、本当はどこが安いのか?をよく検討してから契約することが重要だと言えます。

まとめ

2018年4月に公正取引委員会で開催された「携帯電話市場に関する有識者会議」の資料が公開されました。有識者会議では、「2年縛り」や「4年縛り」についても議論された模様です。

公正取引委員会の今後の働きかけはさておき、ユーザーとしても、目先の安さに惑わされないことが重要でしょう。

参考:携帯電話分野に関する意見交換会